地球規模で歴史的な猛暑が予想されるといわれる今年の夏。しっかり食べて、元気をつけたいところです。快進撃を続けるカープのキャッチフレーズを借りて、真赤激!
トマトのリコピン、なすのアントシアニンなど艶やかで美しい天然色は、野菜たちが夏の強い紫外線などから身を守るために自らつくりだした機能性物質。それを食べて体に取り入れることによって、私たちもまた夏の暑さから身を守っているのですね。「自然の命をじぶんの命にかえる」、それが食べるということ。だから手を合わせて「いただきます」。
これからキャベツの種を蒔く畑一面に、ダイコンの花。ピンクの花がきれいに咲いていました。なぜ? キャベツの生育を阻害する根こぶ病対策です。おとり作物と呼ばれる「おとりダイコン」を植えることによって、地中の病菌がダイコンの根に寄生して土がクリーンになります。土が健康になったところでダイコンは畑に鋤き込まれ、キャベツの種が蒔かれます。作物はただ種を蒔くだけで豊かに実るものではありません。地中の菌、虫、自然災害などと戦い、数多の失敗の中から農耕の智恵が編み出されてきました。農業を英語でAgriculture(アグリカルチャー)と言いますが、カルチャーは文化、農耕はすなわち人間が築き上げてきたすぐれた文化なのです。日々いのちを養う野菜が生まれる場には、学ぶべきものが多くあります。