外出先で、中学校時代の友達Oくんから電話。
「どこにおるん? ようかん、買ってきたよ、いま家の前」
何週間か前に会ったとき、
岡山の「高瀬舟」という羊羹が好きだと言ったのを覚えていてくれたんです。
帰宅して郵便受けをのぞいたら、大きな箱が入っていました。
出張のついでとはいえ、嬉しいじゃありませんか。
彼女でも、奥さんでもない、ただの同級生にそこまでの気遣い。
長く病で苦しんできた彼の、明るい声が胸に響きます。
つらいことがあったとき、「さまざまな経験をとおして私は精錬されました」という
美智子皇后の言葉をいつも思い起こします。
練って、練られて、強く鍛えられ、にんげんとしての純度が高まっていくということ。
わたくし、ただいま精錬の作業に入りました。
眠れぬ夜があっても、外が明るくなれば窓を開け、
キッチンでコーヒーを入れ、洗濯機をまわす。
立ち止まらない、うつむかない。そして、勉強。
野菜ソムリエとして食と農をつなぐ役目を果たしていくために
身につけなくてはならないことは沢山あります。
庭では今年も姫リンゴが実をつけました。
自然に教え励まされます。