国土はさほど広くないイギリスですが、山が少ない平地なのでバスから眺める景色は広大。
じゃがいも畑、小麦畑、菜の花畑、そして羊や牛が草をはむ牧草地が果てしなく続きます。
緑のなかに点在する農家の姿も美しくのどかで、
どんな山奥に行ってもコンビニやガソリンスタンドの看板が目立つニッポンとはえらい違いです。
国の環境と景観を守る「ナショナル・トラスト」という民間団体が、保全につとめています。
最初は2人ではじめた運動がイギリスのみならず世界に広がり、
美しい歴史と景観を守る絶大なネットとなっています。
田舎の暮らしを物語にしたピーター・ラビットの作者、ビアトリクス・ポターもその運動に賛同し、
印税で農場を買い、牧歌的な暮らしを続けたといいます。
さて、そのミセス・ポターが生んだ、いたずらうさぎのピーター・ラビットを探して湖水地方へ。
のどかです、静かです、晴天です。
バスが走る緑のなか、「あ、うさぎですよ!」という添乗員さんの声。
ほんとうに沢山のうさぎが住んでいるらしく、「あ、また!」「ほら、そこに!」
いのししの狩人を父親に持つ添乗員のSさん、すばらしい動体視力の持ち主です。
公務員を父に持ったわたしは、{え?」「あ?」と、一度も見ること叶わず。
田園地帯をひたすら走って、バスはグラスミア湖畔へ。
英国を代表する詩人ワーズワースが愛して住んだグラスミアの町、
小さな川が流れる小さく美しい村です。
名物はクッキーのような固いパン、ジンジャー・ブレッド。
皇太子も訪れた小さな店の前には行列が出来ていました。
固い岩おこしのような食感。紅茶によく合います。
この日の昼食は、湖でとれるます料理。
サーモンのようにほんのりとピンク色がかって川魚特有の臭みもなく、おいしかった。
イギリスの食事はまずいと皆が口を揃えて言いますが、素朴な田舎料理はおいしい。
必ずつけ合わせで出る丸ごとボイルしたジャガイモはホクホク。
「よく食べるねー」と周囲を感心させるなか、
1日3食すべて完食、あごの下に肉をつけて帰りました。
タラのフライとポテトを皿に盛り合わせイギリスの名物料理「フィッシュ&ポテト」は、
ちょっと頂けませんでしたが。