ブータンの王様をはじめて見たのは、
昭和天皇の大喪の礼を伝える報道番組だった。
各国首脳陣がブラックタイの第一礼装で式典に向かう中に、
ただひとり簡素にして美しい民族衣装に身を包む王様がいた。
その姿の、なんと端正で誇り高かったことか。
こんなに美しい王様が治める国って、どんな国なんだろう。
そして、いま手にしているのが「ブータンに魅せられて」という本。
TVで観た王様はブータン第4国王で、
「国民総生産」ならぬ「国民総幸福」を提唱。
にんげんの究極目的は経済発展ではなく人生の充足である、と国王の言葉。
興味ある方は岩波新書出版の本書を読んでいただくとして、
うさぎは、きょうも洗濯物を干しながらぼんやりと考える。
どこまでいけば、心から幸せと思えるんだろ?
ほどほどの幸せが一番だ、とギリシャの哲学者は言うけれど
ほどほどって、どれくらいを言うのよ?
人、それぞれ。
楽しいこと嬉しいことは、手のなかにいっぱい。
でも、ビールの泡のように体からあふれ出るものが欲しい。
すぐに、消えてなくなってもいいから、こぼれてあふれるものが欲しい。
刹那的幸福感とでも言いましょうか。
写真は、ほんのちょっと、そんな気分が味わえた日の一枚。
欲張り、です。あなたは?