ブルーベリーが、いよいよ収穫の時。 実を言えば、買ってきた苗木を庭の隅に置いていたら、 庭師山田くんがササッと植え込んでくれたものなんだけど。 畑のきゅうり、トマト、ピーマンも、近所のオジさんが 見かねて支柱を立ててくれた。 面倒見られ上手な末っ子気質。 来年はいろいろ勉強して、自分で育てなくっちゃ。 それにしても、実りを待つって、いいもんですね。 あなたにも、あの人にも、たとえ小さくとも うれしい実りの時がありますように。 ブルーベリーの実、惜しくてとても摘めません。

あれは、中学生の時。 母と姉たちと台所でおしゃべりしていたら 床下で、ポン！と小さな爆発音がした。 母が作った葡萄酒が醗酵し、 ガス？が瓶の栓をはじき飛ばしたのだった。 「あら、ら」と、母は床板をめくり、 おかしくってケラケラ大笑いの娘たちに、 酒になる直前の赤紫色の液に砂糖を加え ジュースにして飲ませてくれた。 そんな昔のことを思い出したのも、 わっちの胸んなかも、ただ今醗酵状態。 開けちゃならない栓だから、 こみあげてくる泡を、ぐーと抑えて。 こんな夜の一杯は、チリの赤ワイン。 夏のはじめに見た燃えるような夕空を夢の肴に、 早く寝てしまおう。