シニア野菜ソムリエ花井綾美と「広島の大地の旬」をいただきましょう
2009年1月9日

農業を営む父は、休むと体の具合が悪くなると言っていた。
働くことは薬だった。いつから働くことが毒になったのか。
皆休みたがっている。日曜日の夕方になるとため息をついている。
少しだけ働いて、たくさんお金をもらいたいと思っている。
働くことは、お金のためとか、そういうことでもあるけれど、
働くことは善いことだった。だましたり盗んだりすることの、
そのいちばん反対側にあるのが働くことだった。
人は働くことで、やっと清められた。

昨日に続き、『百年の食』より一文を抜粋。
田舎道をゆくと、農家のお年寄りが黙々と畑で働いておられる。
土を耕し、その実りを食して命をつなぎ、また働く。
その姿を美しいと感じ、土の匂いに安らぎ、
働くとはどういうことだろうと思い始めた数年前の春。
販売促進という名分のもとに必要ではないものまでつくり出す虚業は、
そろそろおしまいにしなくてはと思い始めたのです。
そしてブランド服とヒールの靴を捨て、生活の空気を変えて1年と少々。
命をつなぐためにほんとうに必要なものを、
へっぴり腰ながら耕しはじめているところです。



2009年1月8日

ある農家で、わたしの相手をしてくれている老人だけが昼飯を食べようとしない。
「どうぞ食べてください」と言うと、「きょうは仕事をしないから」と答えた。

これは、農学者渡部忠世著『百年の食』の一節。
「食べる、働く、命をつなぐ」という副タイトルがつけられたこの書、
農というものに強く惹かれている今の自分と同じ思いが、
随所で語られていて嬉しい。
食べ過ぎてはメタボだ、ダイエットだと案じて
その予防と解消にまたおカネを費やす放食ニッポン丸は沈没寸前。
食は命をつなぐためにあるという本義に立ち戻らねばと
思い始めている人は多いのではないでしょうか。
人は働くことで清められる、という一文については、また明日。
捻挫した足の腫れもひき、ぼちぼち外を歩けそうです。

 
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