12月の休日の夜、街は華やいで不景気の沈滞をしばし忘れさせます。

デパートの内にあるティファニーのショップは、若いカップルでいっぱい。

彼女の肩越しにショーウインドをのぞき込む彼の顔の何とまぁ嬉しそうなこと。

おそらく可愛い彼女からプチダイヤが入ったハートのペンダントなどをおねだりされているのでしょう。

知り合いの若い男のコいわく、「彼女の喜ぶ顔を見たいんですよぉ」。

へえ、そうなんだぁ。男の人にモノをねだった経験のない私です。

ホットなカップルたちを横目に、私「１年間がんばったごほうび」を自分のカードで買いました。

木綿のレースをふんだんに使ったブラウスです。

ティファニーのシルバーリングだって買えちゃう値段に、「えっ」と声が出ましたが、

清水の舞台からエイッ！来年はいいことありそうな予感　♪

 買ったブラウスは、スタッフさんの手でインディゴ染めのミニふろしきに包まれました。

「いい年にしてくださいね」と笑顔で手渡され、

2学期の成績表をもらう小学生のように元気に「ハイ！」と答えました。

ちょっと用事があって旧広島大学キャンパスへ。

生まれ育った街です。

写真中央の赤いテントは、いつもお店の前で遊んだ花屋さん。

いまも健在のようです。

高層マンションが建ったキャンパスは、すっかり様変わりしていました。

幼い頃は学生のお兄ちゃんたちに遊んでもらい、

自身が学生になってからはクラブ員として球を打ったテニスコートも更地に。

クラブ対抗の駅伝レースでアンカーのたすきをかけて走り抜けた

正門のフェニックスの並木だけは今も変わらず。

不覚にも目の奥がじん。 20数年を過ごしたこの街が「ふるさと」です。