ペルーから帰った友人から、
チチカカ湖のほとりでとれた岩塩をおみやげにもらって
あらためて思ったこと。
塩をテイスティングし、塩を楽しむ時代になったなぁ、と。
塩を扱いにしてはいけません。
写真左がチチカカ湖畔の岩塩、
右は昨年南仏で買って帰ったカマルグの海塩です。
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「減塩」ときいて、ゆたかな食事がイメージできるでしょうか。
減塩レシピなるものも提案されていますが、
ことさら言い立てることに無理があるような気がします。
減らそうと言うべきは「塩」ではなく、ナトリウム。
精製塩(人工食塩)に100%含まれているナトリウムが、
高血圧など健康を害する原因となるといいます。
これを明確にしておかねば、
不自由で味気ない食生活を強いることになりかねません。
100%天然塩の成分表示があれば、精製塩とは異なり、
ナトリウムは少なく体に有用なミネラルが豊富に含まれています。
塩が専売制で、精製塩しか手に入らなかった時代の減塩指導を
今に引きずっているのだとしたら、
それは是正しなくてはならないと思います。
海外では「塩の摂りすぎは健康の敵」というのは
誤解ではないかと考えられ始めているとも聞きます。
腎臓が正常であれば、塩を摂りすぎれば自然に喉が渇いて水を飲み、
体外へ排出します。野菜をたくさん食べれば、
野菜に含まれるカリウムも排出を手伝ってくれます。
健康な人でれば体の声を聞き、塩辛ければ減らし、
おいしいければ適量と考えていいのではないでしょうか。
ただ、濃い味に慣れていると、
体が正しい声を発してくれないかも知れませんね。
海から生まれた私たちの体に塩はなくてはならない成分です。
夏の熱中症対策に塩をなめるのも、体内の塩分が生命線だからです。
塩は辛いだけでなく、素材のうまみを引き出す名手、
ぜんざいに塩昆布の例もあるように、甘味も際立たせてくれます。
やたら「塩の摂取を減らそう」と呼びかける減塩運動には疑問を感じます。