花 「だめでしょ!じいちゃん」 じい 「ハイ 」 花 「ハイじゃないでしょ、ハイじゃ・・・もう!」 2歳7ヶ月が眉間にシワを寄せて仁王立ち。 すでに恐妻のきざしあり。 花のようにやさしくと願って名付けたというのに、もう! あ? わたしの真似? まぁ、それなら可愛いじゃないの とお茶。 O嵜さんの京都みやげ、 「あ、おはな!」 花が目をかがやかせます。 そのちいさな手のなかに菊が咲きます。 和三盆が口のなかでふわり、とけてゆきます。
ひらり はらりと 木の葉雨 ちいさな庭の 葉だまりにしゃがみ込み 黄金いろの雨に濡れてみる あちらの枝をみればもう 小さな冬芽が まだ知らぬ 春をはぐくんでいる 名残の秋を抱く 朝の ほんのひととき