シニア野菜ソムリエ花井綾美と「広島の大地の旬」をいただきましょう
2011年7月22日

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台風の置き土産か、ひんやりとした空気につつまれた朝。

セミたちがにぎやかに鳴き始めました。

わが家のシンボルツリー、山桜の春太郎が住処。いよいよ盛夏です。

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山ではヒグラシ、カナカナ、と涼やかな鳴き声。

2011年7月21日

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心配された台風の影響もなく、無事一夜明けてきょうは猛暑。

広島で一番空に近いビル、アーバンビューグランドタワーの12階
レストランシマムラレスプリ・ド・ミクニで行われた「渡辺農園の野菜を食べる会」に参加。

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地元の旬の野菜への思いが深い、島村シェフ。

福富町の畑で自然農法による野菜を作り続ける渡辺敬さん。

しかもそのほとんどが「自家採取」の種だというから驚きです。

そして、渡辺さんのもとへ種を持ちこんでは、

広島の風土に根ざした本物の野菜を求めるのが島村シェフです。

水と塩で旬の野菜の力を生かす島村さん。

自分が思い描く野菜を具現するために土に向い続ける渡辺さん。

ふたりの思いがみごとに昇華した一皿、また一皿。

野菜のちからに揺さぶられ、はたまた野菜に心うばわれた夏の日でした。 watanabenouen1

 

 まずは、渡辺インゲン。

偶然にも島村シェフと同じ名の埼玉のシマムラさんという方が自家採取して作り続けてきた

インゲンを渡辺さんが自分のインゲンとして育て上げた苦心の味。

やわらかく甘くやさしい青味でした。

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つぎはジャガイモ、福富ルージュの冷製スープ。

島根県高瀬川の鮎で出汁をとった爽やかな味。

「ダムのない高瀬川で生育した鮎」という島村シェフのこだわり。

スープの底に沈めた一かけのきゅうりは、表面にトゲトゲのある昔なつかしい四葉きゅうり。

生で食べるときトゲトゲが口にさわるという理由で改良されたのが、

現在お店で見るつるんとなめらかなきゅうりです。甘く、

やわらかく、つるりと、アクもなく・・・このごろの野菜、

野生を抜かれて草食男子のようになってきてつまらない、と

思っていたところに渡辺さんの野菜です。ガツンとやられます。

野生の力みなぎって、おおきく、たくましく、とてもセクシーなのです。 watanabenouen4

もうメロメロになってしまったのがコレ!

タマネギ丸ごと、昆布だしで炊いてズワイガニのスープと。この透き通った白さ、

ナイフを入れるとスー、口のなかでとけて、ああ「これが野菜の甘み」。

力ある野菜を、日本のダシがナイス!アシスト。

おいしい野菜にはチキンブイヨンなど強い味はNG。「水と塩だけでいいんですよ」、と島村さん。

すごい!

 

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まさに今が旬、ズッキーニ。

千切りにしたズッキーニに竹炭のパスタ、カリッと焼いた鱧が絶妙。

大葉のジェノベーゼも、フレンチながら日本の夏を感じさせます。

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そろそろ野菜だけでおながいっぱいになりかけたところに、大好物のナスとゴボウの料理。

賀茂ナスの上に広島産牛肉のステーキ、大浦ゴボウのソースを添えて。

ソースがおいしくてペロリペロリ。

お皿にソースで円を描いた筆は広島が世界に誇る熊野筆。

ここまで地産地消? と島村シェフ自分でつっこみ入れてました。

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そして最後のデザートに、矢賀ウリ。遠い日の夏休みを思い出させる青い味でした。

 テーブルに皿が運ばれるたび「わぁ」と小さく声をあげる渡辺さん。

自分が作った野菜がこんなにおいしく料理されて本当に幸せ、と言いたげな

渡辺さんの上気した顔が印象的でした。

「喋るのが苦手で・・・」と実に木訥、だけれど心身の中に熱いマグマをもつ人と拝察。

作った人を前にこんなにおいしい野菜料理を食べながら野菜について

存分にお喋りできた私も、ほんとうに幸せを感じました。

渡辺さんの向かいに席を用意してくださった島村シェフに感謝です。

 ※「自然農法」「自家採取」の意味については、また次に。

 
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