朝、札幌の気温は4℃。日差しが暖かく感じられるほどで、
道路の雪も溶け始めています。
札幌、最終日。午後3時半には飛行機で帰路に。
最後まで札幌に残る私につき合ってくれたのは、
帯広在住の「農家の嫁」Mさん。
農家といっても法人の大規模農家なので、
トラクターの運転から従業員さんのお世話まで多忙。
農閑期の間に思いきり自由になるんだと、
この後いったん家に戻ってまた東京と名古屋へ、
野菜ソムリエの勉強を兼ねて遊びに。
一緒に暮らすご両親の世話、子育て、そして家業と
辛い思いにも耐えてがんばってきたんだから、ここらではじけなくっちゃねぇ。
古い家の長男の嫁同士、気持ちがピッタンコ。
札幌の残り半日、そんな二人が向かったのは、まず北海道大学に隣接する大学の植物園。
外は雪で覆われるので冬期は閉鎖ですが、温室を見ることができます。
サボテン、バナナ、北の国にいて南国気分を味わいます。
食虫植物の「ウツボカズラ」。壺を逆さにしたような形状の花に甘い匂いのする液をためて虫を誘い、
まんまと壺に入ってきた虫をパクリ。それを見て「ハウスに入れたいな」と、つぶやくMさん。
野菜につくアブラムシの駆除に使いたいと、さすが農家の着想。
スタッフの方に尋ねたところ、アブラムシはちょっと難しいとのこと。残念。
ランの部屋。見るほどに不思議な造形です。
私たちのあとから入ってきた男性、自宅に50鉢以上も集めるランの愛好家。
この植物園が面倒見きれないランも預かって育てているとも言います。
写真右、日本に数少ない品種だそうです。
自家採取の野菜(いわゆる伝統野菜)の種が持ち出し禁止で守まれているように、
ランも国境越え禁止。それだけに希少な品種は手を尽くして育てて・・・・
愛好家の話、まだまだ続きそうなので、ここらで失礼。
札幌の街、樹木はみな雪から守られています。
北大植物園からそのまま歩いて旧道庁へ。クラシックな立派な煉瓦造りの建物です。
ロシア文化の影響を受けているのでしょうか、てっぺんにはドームが見られます。
中に入ると正面に赤い絨毯が敷かれた階段、国会議事堂の組閣記念写真の場面を思い出させます。
内部は北海道の郷土資料が閲覧できる図書館になっており、北方領土の資料室も。
ニュースで見聞きすると遠い他所のことのようにも思えますが、ここ北海道で目の当たりにすると、
返還問題が現実のものとして胸に迫ります。
早くもお昼、旧道庁のすぐ近く札幌の野菜ソムリエのお店「ベジカフェ・まーくる」でランチ。
じゃがいものサラダ3種、ほうれん草のいひたし、人参と牛蒡のキンピラ・・・野菜づくしの一皿、
写真を撮るのも忘れてぺろり完食。オーナーの吉川さんと名刺をかわして、お店を出ました。
ホテルに預けた荷物を受け取り、地下鉄でJR札幌駅に着いたところでMさんとお別れ。
電車に乗って空港へ。よく食べ、よくしゃべり、よく歩いた4日間。
晴れても夕刻からは冷え込んで路面が凍る札幌の街。
登山家の野口氏も愛用のニューバランス703を履いて正解。
スッテンもコロリもなく安定して歩けました。