学生時代に沢木耕太郎のエッセイを読んで以来、
自分の足で歩いてみたかったサハラ砂漠。
夢がかなって、砂漠の砂を踏み、砂漠で昼ごはんを食べました。
サハラの西の砂漠、メルズーカ砂漠をめざし、
オフロード車が猛スピードで道なき道をぶっ飛ばします。
エキゾチックな顔立ちのイケメンドライバーが、
「ダイジョウブー?」ときどき声をかけてくれますが、
大丈夫と答えるとさらにスピードを上げます。
1時間ばかり走って、ホテルに到着。
宿泊客は、われわれツアー一行と、
オランダからキャンピングカーでやってきた家族連れだけ。
砂漠のなかにある静かないいホテルでした。
わたしの部屋は屋上(左側のドア)、
ドアを開ければ砂漠が見渡せ、朝日もすぐ眼の前に。
絶好のロケーションです。
シャワーの湯が出ず、2泊3日の間
お風呂に入れなかったことなどノンシャランです。
午前6時半頃、日の出。
砂漠を眺めながら、ゆっくりと朝食。いい時間でした。
モロッコへ行かれる予定があれば、
ぜひ砂漠のホテルに泊まることをおすすめします。
砂漠を一緒に歩いてくれるらくだ達も、すでに待機中。
ときどき、ぶー、ぶー、と鳴き声をあげます。
さて、いよいよ出発。
私をのせてくれたラクダは小柄で可愛く、おとなしい子でした。
月の砂漠ならぬ、熱い砂漠をはるばると~ ♪
昼食をとるテントまで約1時間30分、
らくだの背に揺られてまいります。
思ったよりも揺れず、馬よりもらくです。
テントが見えてきました。ここで、昼食。
ホテルからついてきてくれたシェフが食材を運びます。
衣服の青が美しく砂漠に映えます。
強烈な日差しから身を守る藍の色で、遊牧民の伝統的な衣装の色。
藍の染料が肌について青くなることから、
この地の遊牧民はブルーマン(=青い人)と呼ばれるそうです。
砂漠に生えている草をむしってきて、火をおこし始めました。
どうやら鶏肉を焼くようです。
日本ならば、客が着く頃には料理が出来上がっている段取りですが、
ここの人たちは、日の出から日の入りまでに
きょうすべきことを終えればよい、といったペース。
おかげで、こちらも時計を見ることもなく時間を忘れて
のんびりと過ごすことができます。
水は井戸からくみあげます。
トイレ設備はなし。
用足しは井戸から離れたところで、という注意を受けました。
砂漠のなかで「花をつむ」という
またとない体験ができました。
テントの中ではトマトを刻んでモロッコサラダを調理中。
手はきれい?なんてヤボ。
いつまでたっても料理が出てこないのに業を煮やして、
ツアーのなかの一人が「いつになったら食べられるんだ」と尋ねると、
誰が教えたか、アラブ人シェフが「問題な~い」。
ようやく食事にありつけて、食べ終わったら、
ラクダを引いてくれる人たちの食事。
楽しそうにお喋りしながら食事はゆっくりすすみます。
テントは宿泊施設でもあるので、
わたしは中の簡易ベッドでお昼寝。
のどかに、ゆっくりと砂漠の時間は流れていきます。
人なつこくて陽気なホテルのスタッフたち。
お互い片言の英語でおしゃべり。
彼らのボスは妻が4人、ロールスロイスに乗るリッチマン。
来年には商用で大阪に来るそうです。
発つ朝、太鼓で見送ってくれました。
旅のオマケ
モロッコのキーナンバーは「4」、
モロッコの4つ色は、家の外壁の赤、空の青、オアシスの緑、雪の白。
持てる妻の人数は4人まで。
ただし新しい妻をめとるには今いる妻たち全員の許可が必要。
1日の祈りの回数は4回。