バアちゃーん! 花の呼ぶ声が目覚まし代わり。 ちいさな足が階段を踏む音がして、ガチャ。 ドアが開いて、かわいい顔がのぞく。 花「鬼さんは?」 ここ数日、この一言で朝が始まる。 バア「きょうはお山、ここには来ないって」 花「電話して、みた?」 ここら当たりに3歳を間近にした成長が見られ、 訳が分からぬなりにオトナの会話。 失うものを持たない。こわいのは鬼さんだけ。 驚きに満ちた日々をいっぱい抱えて、 笑い泣く3歳が心底羨ましい。