TV録画しておいた「リトルダンサー」を観る。
貧しい炭坑町で育った少年ビリーがバレエを学ぶために、
ロンドン行きのバスに乗り込むシーン。
ひとり町を出て新しい世界に飛び込む息子を
見送るのが辛くて背を向ける父親。
走り始めたバスを追い、ガラス越しの弟に叫ぶ兄。「I miss you!」
観るのは3度目なのに、また泣いてしまった。
18歳でイギリスに発った息子との別れの日がオーバーラップしてしまうから。
新幹線の窓側に座った息子は正面を見つめたまま、
飛び立つパイロットのように、敬礼をして発った。
「行ってくる」「がんばるから」「さようなら」・・・・
さまざまな言葉に代えた敬礼が、たまらなかった春の日のプラットホーム。
遠い日を思い出す雨の午後は、
キム・カシュカシャーンのヴァイオリン「アストリアーナ」。
名前の響きがいいでしょ。
静かに炎がゆれるラテンの調べが胸にしみます。
(UCCE-2064)
ちなみに映画のラストは、プリンシパルとなったビリーの舞台シーン。
アダム・クーパー扮するビリーが、すばらしい肉体美と跳躍を見せます。