先夜、ひらいた「浄瑠璃の会」。
この日、三味線の弾き語りをしてくださった野澤松也さんは、
歌舞伎座の義太夫として舞台に上がる旁ら、
浄瑠璃作家の橘凛保さんと共に消えゆく地方の昔話を
浄瑠璃風にアレンジして残す活動も。
ボランティアで全国の小学校などを回っておられる。
間近で聴く、太三味線の迫力。
長い修練が磨いた本物の芸は、心の随に響く。
日本の伝統芸能を愛し絶やさず伝えていきたいという熱意も、確かに伝わった。
重要無形文化財保持者の三味線の音を手の届く場所で聴けるという
滅多にない機会を共有したのは39名。
もっと多くの人に聴いて頂きたかったという思いがする。
浄瑠璃も歌舞伎も、庶民を楽しませてきた芸能。
写真ではうまく伝わらないけれど、
その世界で生きる松澤さんの洒脱な身のこなしがとても良かった。