いよいよフランスの旅、最後の1日。
フリータイムなので、パリの街をぶらり歩きながら美術館をまわります。
朝ホテルからタクシーで、まずはセーヌ川のほとりにあるルーブル美術館まで。
初日にツアーで訪れた場所ですが、
同行のTさんがツアーでは見られなかったフェルメールの絵をぜひみておきたいと言うので、
つき合います。
Tさんの目標は世界11箇所に収蔵されているフェルメールの作品30数点を全点踏破すること。
旅にテーマがあると楽しいですね。
私で言えば、土地の野菜マーケットをみることかナ。
ルーブル美術館を出た頃から、雲行きがあやしくなってきました。
パラリと雨が落ち始めそうな気配。
6月といえジャケットがなくては震える寒さです。
旅の間じゅう、厚手のジャケット、薄手のカーディガンと重ね着で調整をしていました。
気温差が大きいので服装のバリエーションが必要のようです。
ルーブル美術館からセーヌの橋を渡って、対岸にある「オルセー美術館」へ。
歴史ある駅舎をミュージアムにした建物ですが、この優美な軒はどうでしょう。
マネの企画展をやっているためか、朝早い時間にもかかわらず長い行列。
小雨のなか30分ばかり待って、やっとチケットが買えました。
中へ入ってもマネの企画展示室の前にも長い列。
Tさんが「お腹がすいて並ぶ気力がない」と言うので、
常設展示だけを見て、ランチを食べることに。
美術館の2階にある豪華なレストラン。
フランス語のメニュー、内容がよくわかりません。
「あれ、ください」って他のテーブルの人が食べてるものを指させばいいじゃん」と言ったら、
そんなはずかしいことをしてはいけませんと年長の同行者にたしなめられました。
しぶしぶ大人しく、本日の定食を注文。
昨夜エッフェル塔で食べたディナーがまだ胃につかえており、炭酸がほしい!
で、日頃は飲まないコーラも注文。
メインディッシュとパンとデザートがついて、しめて1900円也。
デザートはまずくて食べられなかったから「高いなぁ」。
こう書きながら気づいたこと、
皿に野菜がなかったことが不満だったのですね。きっと。
ちょっと残念なランチを終え、再び橋を渡ります。
真ん中にベンチもある、憩いの木の橋。いい橋ですね。
欄干におびただしい数の「愛の錠前」。
日本人観光客が流行らせたものだとか。
二人の愛にしっかりとカギをかける、という意味合い。
愛にも自由がほしい私、たまらんな~、という気がします。
橋を渡ると、緑ゆたかなチェイルリー公園。
その一角にオランジュリー美術館があります。
大理石の立派な建物。
ナポレオン3世の時代、冬の間オレンジなどの果樹を栽培管理する温室として使われていた建物。
なんと贅沢なオレンジでしょう。
今はミュージアムとして中は明るくモダンに改装されています。
小さいながらもフランス印象派の作品が充実した、とても良い美術館。
モネの睡蓮だけを展示した部屋もあります。
円形の白い壁、グルリといちめん。モネの睡蓮。
清浄という言葉が思い浮かぶ、心地よい空間です。
ひとり、静かに眺めながら過ごせたらいいだろうなぁと思いながらパンフレットを読んでいたら、
こんな説明がありました。
ここはモネ自身が、街の喧騒と作品の間に安らぎの空間をつくりたいと考えた場所。
「労働で疲れきった人々の神経が、私の絵のなかの水のようにおだやかになり、
花の咲き乱れるアクアリウムの中で思索にふけることができたら」と、
モネは語ったといいます。
モネのそんな思いを知ってか知らずか、
絵の前は大勢のひとの話し声で賑やか。
ときおりスタッフが小声で沈黙を促しますが、なかなか。
美術館のマナーの低下はパリも同じのようです。
絵のなかを歩いているうちに、時刻は午後4時をまわりました。
フリータイムもそろそろおしまい。ツァーの集合場所オペラ座裏に向かいます。
チェイルニー公園を横切り、ヴァンドーム広場を抜け、オペラ座まで一直線の大通り。
小雨が降りつづきます。
オペラ座裏まで来て、雨宿りがてらスタバで薄い(薄すぎる)アメリカーノを一杯。
雨のパリ、いよいよお別れです。
日本人向けの土産ショップに全員集合後、ツァーバスに乗り込んでドゴール空港へ向かいました。