さて、きのうの続き。一夜明けた東京は雨で、しかも震える寒さ。
駅のホームに立つ人たちは、ぶ厚いコートに手袋で完全装備。
私、昨日買ったオーガニックコットンの春色Tシャツを重ね着して、
やっと寒さをしのぐ有様です。
きょうは1日フリーなれど、さして行きたい場所もなく
ホテルの部屋で考えたのが「ひとつの美術館で何時間過ごせるか」
そこで、上野の国立西洋美術館へgo!
雨だというのに上野の森は傘の波、
上野の森には多くの美術館が点在するので人が集中するのでしょうね。
国立西洋美術館は、川崎造船所初代社長松方幸次郎がヨーロッパで買い集めた美術品を収蔵するために建てられた美術館。
日本で美術を志す若者たちにヨーロッパの本物を見せたいという思いでコレクションした膨大な数の美術品が収められています。
中世の主教画からミロ、ピカソまで、美術館には珍しく常設展示品に限って写真撮影が許可されているのも、
「美術を学ぶみなのために」という松方精神の表れでしょう。
で、滞在時間はというと、3時間半であえなく敗退。
ランチを食べようと館内のレストランに行ったら長蛇の列、おなかがすいて、とても我慢ができませんでした。
美術館前の、ロダンの「考える人」。冷たい雨をもろともせず、考え続けておられました。
さて、さて、空港へ向かう時間まであと2時間。あてもなく上野駅から下町、千駄木へ。
根津、千駄木あたりはいま日本の古き良き下町情緒を求める人たちの間でブーム。
とくにヨーロッパからの外国人に人気だとか。
ちなみに新興国の中国、韓国人は銀座あたりでブランド品をお買いもの。
両手に袋を抱えてにぎやかに歩く姿は、パリやミラノ、香港に押しかけたバブル期の日本人を見るようです。
それは、ともかく千駄木の駅を降りてあてもなく歩く坂道に1本の感緋桜が咲いていました。
さらに歩いて、歩いて、あれ?何年か前に来たことのある場所へ出てきました。
ああ、ココとつながっているのか・・・と合点。
自慢ではありませんが、街を俯瞰で見ることのできない方向音痴。
でも、誰とでもすぐに仲良くなれるので土地の人に助けてもらえます。
この日も角の店の人に町内地図をもらえてラッキー。
有名人が多く眠る谷中霊園を通って日暮里駅へ向かうことにします。
寒い雨の日、墓場を散歩する人などいやしません。背中がちょっとゾクゾクします。
徳川家最後の将軍、徳川慶喜の墓まで来ると、おじさんがポツンと立っていました。
ボランティアで説明役をされているようです。
本日はじめての獲物を見つけた猟師のようにぱっと顔を輝かせて、私の方へ。
慶喜が徳川家で唯一の信徒であったこと、徳川家で唯一墓が公開されていること、
ふん、ふん、へえ~と相槌を打つと、徳川15代をさかのぼって話は延々と続きます。
うー、寒い。えー、やばい。旅の者、先を急ぐので・・・と、お礼を申し上げて墓地を出ます。
途中、警察やSPの厳重警戒、おじいさんの命日の墓参り来た鳩山総理に遭遇。きのうの玉三郎さまといい、有名人に「遭遇」の東京ステイでした。
(おまけ)墓地で話が終わってはちょっと印象がグレーなので、
日本で一番美しいといわれる銀座和光のウインド・ディスプレイ。
春が咲いています。