さて、丸の内散策の続き。
みごとな銀杏並木が続く石畳を歩いて、デフレなんてどこ吹く風のハイクラスなショップ街を冷やかし。
見たところ、年収最低でも1500万円の30~40代ビジネス富裕層がターゲットとおぼしき品揃え。
たとえば軽~いダウンジャケット、15万円也。
あくまでもカジュアルな普段着です。
ボーナスでってことじゃなく、ふらりと入って手に取って気に入ったのでゴールドカードでお支払い。
そんなお洒落でリッチなショップが並ぶ界隈、
わたしの買い物は、文具の伊東屋でボールペン2本とソラ豆柄の手拭。
そして15万円のジャケットのそばにあった可愛いポーチ。
50年代アメリカのヴィンテージの布で作った一応デザイナーの一点もの。
「ご自分でお使いになるんですか?」と、人形のように綺麗な笑顔でスタッフさん。
「うん!」と元気よく頷きました。百歳で死ぬまで「少女」を手放しません。
ポーチをゲットしてゴキゲンな気分で皇居の大手門まで来ると、あら、すごい人出。
警備スタッフもいつもより多い。なんで?と見ると、「天皇陛下ご即位20年記念儀装馬車パレード」の看板。
もうじき始まりますよ、お急ぎくださ~いと係員。
時計を見ると開始5分前、馬車の運行コースはすでに黒山の人だかり。
カメラ片手に待ち構えています。こりゃ、いいとこに来たわ、と急いで列に加わります。
後から来たのに、ベストポジション。
金モールの正装の御者とピッカピカの馬車と黒毛の馬が見事な紅葉の中をゆく様子は
映画のワンシーンのように綺麗でした。
ここでもケイータイカメラを持たず、残念。
その後、天皇皇后の暮らしまわりの品々の展示を拝見。
季節の飾りもの、神事の道具等など。
高村光雲の彫刻などいずれも日本美術の第一級品、
趣味の良い簡素な美が感じられました。
なかでも、皇居で蚕を飼う美智子さまの絹糸のコレクションにため息。
クチナシ、カラスノエンドウ、アケビ、クリなど植物で染められた糸の色の優しさ。
日本の伝統文化を守る責務を果たすという意味では皇室も存続して良いのではないかと思います。
ああ、きょうも良いものを見たと満足し、帰りのヒコーキの便に。
このところJALの検査場が異常に混み合います。
原因は経費削減のためかゲートの数を減らしたこと。
必死の形相で列をさばく地上係員に、「乗り遅れたらどうするんだー!」と喰ってかかる人も。
不況ニッポンのひずみが、こんなところにも・・・。