シニア野菜ソムリエ花井綾美と「広島の大地の旬」をいただきましょう
2009年7月11日
愛を読む人

どんなに忙しくても、
観たい映画があれば時間をやりくりします。
日々の糧で野菜が主菜ならば、本と映画は副菜。
恋はいのちの水といったところでしょうか。
で、夜遅く「愛を読む人」。
ドイツのベストセラー小説「朗読者」の映画化で、
15歳の裕福な家庭の少年が
うんと年上の独り暮らしの女性に恋をして、
彼女に会うたびbedで本を読み聞かせるという話。
物語はもっと複雑ですが、割愛。

もし、好きな人に読んでもらうなら
どんな本かしらと書棚の前で目にとまったのが、
長田弘の詩集「世界は一冊の本」。
アラフォーの頃に読んだ本で、
表紙は当時気鋭のブックデザイナー、
平野甲賀の手によるもの。
ブックデザインにも優れたものが多かった時代です。

本を読もう。
もっと本を読もう。
もっともっと本を読もう。
書かれた文字だけが本ではない。
日の光、星の輝き、鳥の声、
川の音だって、本なのだ。
ブナの林の静けさも、
ハナミズキの白い花々も、
おおきな孤独なケヤキの木も、本だ。

世界というのは開かれた本で、
その本は見えない言葉で書かれている。 

と結ばれた一編の詩に
今でも深い共感をおぼえます。
価値観というか大事にしたいものが、
ようやく定まった時期でもあったかと思います。
表紙裏には著者のサイン。
どこでどのように手に入れたか、
それは思い出せません。





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