広島の市街地、山側に住宅地が広がる井口はその昔半農半漁で栄えた地。
今も海側には小さな漁港があり、
わかめも養殖されてることはあまり知られていません。
ロープに種(胞子)を植え付け、海に放って成長を待ちます。
微かに春めいてきた2月、養殖をされておられる方に船を出していただき、
わかめ採りを体験しました。
港からほんの三百メートルほど走ったところでわかめが採れます。
山側を見れば市街のビル群、
バイパスには車がスピードを上げて走っています。
街中とは思えない、ここだけのどかな船の上。
採れたてのわかめは、さっと熱湯にくぐらせてしゃぶしゃぶに。
春の香りは、やわらかく、極上のおいしさ。
さっと鮮やかな緑色に変わる瞬間、海からやってきた春を味わいます。
海の底から春はやって来ます。