5年くらい前になるでしょうか。
庄内地方の在来作物をドキュメントした映画
「よみがえりのレシピ」を観ました。
地に育つ作物の美しさと生産者さんたちのひたむきな姿に
胸がふるえました。
多くの人と共有したくて、広島で上映会を開きました。
そのときから、ずっとお会いしたいと思い続けていた後藤さん。
ようやく会えました。
後藤さんは庄内の在来種「藤沢かぶ」の生産者さん。
山中の急斜面に広がるかぶ畑も、
そして後藤さんの笑顔も清々として美しい。
焼畑は農薬も肥料も使わない循環型農業、
地を焼くことで殺菌になり、害虫が湧きません。
焼いたあとの灰が養分となり地中の微生物がよく育ちます。
農の原始にふれる思いがします。
焼畑ならではの根の曲がり、
畑を焼く前に草の根を刈るためにわずか3センチ深さを掘るだけの
固い土中に育つかぶは身がしまってたくましい。
8月15日に畑を焼き種を蒔いて、秋雨が降る今が収穫時。
わずか10アールに育つ藤沢かぶの大方は漬物になります。
規模拡大、生産性向上、企業化など経済性を求めるビジネスとしての農業が必要な一方、
地域に根ざしそこに人と食と文化がある農業もまた手離してはなりません。