京都が一年でいちばん熱くなる日。
祇園祭を観てきました。
祇園祭と言えばきらびやかな飾りをつけて町を通る
山鉾巡業が有名ですが、
7月に入るとさまざまな祭りが催されます。
なかでも盛り上がるのが巡業前日の「宵山」。
巡業をひかえた鉾30数基が通りに設けられ、
なかには一般人が上に上がることができる鉾もあります。
鉾の先に菊型をいただく菊水鉾もその一つ。
歴史ある絨毯が飾られた鉾の上に、
巡業当日はなんと50名のお囃子が乗るといいます。
一本の釘も使われていない構造を支える大きな車輪、
その重さはひとつ約800㎏。
全体で数トンの鉾を、
100名余りの曳き方がロープでひいて歩きます。
食べるちまきと同じ形をした「ちまき」は厄払いのお守り。
菊鉾は延命長寿と商売繁盛の御利益があるそうで、
これから1年間玄関先に掲げておきます。
それにしても通りはすごい数の人の波。
気温35℃を超えるなか、鉾を現物しながら
屋台も並ぶにぎやかな通りを楽しみます。
屋台のなかに、京なす、きゅうり、トマトの浅漬けも。
そして翌日、朝10時頃から鉾巡業がスタート。
先頭は祇園祭の華、生き稚児をのせた長薙刀鉾。
通りの向こうから姿を現すと、通りからうねるような歓声が沸きます。
勇壮にして華麗、圧倒的な品格に満ちています。
とくにみんなが観たいのは、交差点を回る「辻回し」。
ハンドルを持たない鉾はカーブするのも人力で、
高さ20数㍍、重さ数トンもの鉾を安全に回すには
高度なテクニックを要します。
道路に平らに切って板状にした竹を数本敷き、水をまき、
そこに車輪をのせて回します。
平安時代、疫病を封じるために始まった都の祭り、
千年の歴史は、国宝級の飾り、しきたり、鉾を組み立てる技術、
曳く知恵・・と各所にちりばめられています。