「あんを炊いているときのわたしは
いつも、小豆の言葉に、耳をすましていました。
それは、小豆が観てきた雨の日や晴れの日を。想像すること。
どんな風に吹かれて小豆がここまでやってきたのか、
旅の話を聞いてあげること。
そう、聞くんです」
上映中の映画「あん」、主人公の徳子の台詞です。
畑からやってきた小豆をもてなすために、
徳子さんは砂糖を加えてすぐには火にかけず、置いておくのです。
ここではじめて出合う小豆と砂糖が、ゆっくりとお見合いができるように。
真似てみました。ゆっくりと小豆の声を聞きながら。
孫たちの世話に手を取られて、ちょっと小豆を茹ですぎてしまいましたが。