春は、菜の花。やさしい味のスープにのせてみました。
ほろ苦い菜の香りが、体のなかに春を咲かせてくれます。
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元来「菜の花」という野菜の品種はなく、
アブラナ科全般の野菜が開花する前の若葉や花のつぼみを言います。
野菜(菜っ葉)の花という意味から菜の花という呼び名ができたようです。
白菜や小松菜などを収穫せずにそのまま畑においておいたら花を咲かせる、
いわゆる自然にまかせた姿です。
ちなみにスーパーマーケットの野菜売場などで、
小さく切り揃えて束ねて売られている菜の花は
西洋アブラナのやわらかな穂先を摘み取った栽培品種です。
あれを食べて「菜の花を味わった」と思われたら心外、
ぜひ自然の菜の花を味わってみてください。
その理由は、次の通り。
早春の畑の隅で、収穫し残された
野菜たちが花をつけます。
ダイコン、小松菜、白菜、広島菜。
花を咲かせ種をこぼして子孫を残そうとする
生命の営み。野性のちから。
春を食す楽しみである若菜のほろ苦さは、
動物に食べられないよう身を守るためのものです。
私の本「100万人の幸せごはん」菜の花のページより
作ってみましょ! 菜の花スープ
材料(4人分)
鶏手羽元8本、しょうが1かけ、白ねぎ1/2 本、にんにく1かけ、水6カップ
酒120CC、塩小さじ2弱、錦糸玉子、高菜漬
①しょうがとにんにくはスライス、白ネギは青い部分も全部小口切りにする。
②菜の花は洗って食べやすい長さに切る。錦糸玉子を作る。
③鶏手羽元は洗って分量の水、酒といっしょに鍋に入れる。
⑤①を加えて火にかけ、アクを取りながら弱火で約30分煮こむ。
⑥煮えたら塩コショウで味を調え、器に盛り菜の花、錦糸玉子、高菜漬けをのせる。