米国出身で詩人でエッセイストのアーサー・ビナードさんが
広島に在住していると知り、驚き。
すでに多くの著書を出し、おそらく日本人よりも
深く日本語を理解するインテリジェント。
彼の講演を案内されて、駆けつけました。
演題は「歌のむこうに見えるもの~由紀さおりの人気の秘密」
翻訳も手がける彼によれば、
由紀さおりの人気の秘密は、歌の向こうがわにある情景や情緒を
表現する力に優れていると。その表現力があればこそ、
彼女の歌が日本語がわからぬ外国人の心にも響くのだと。
そして面白かったのが童謡「てるてる坊主」を例にあげたくだりでした。
てるてる坊主の3番の歌詞を思い出してみてください。
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いたなら そなたの首をチョンと切るぞ ♪
なんとシュールで怖い!ビナードさんによれば、
この怖い歌を由紀さおりはみごとにやさしく歌い上げるというのです。
言葉を大切にする詩人らしい話でした。
ビナードさんは「暮らしと核とを両立させることはありえない」
その視点から創作活動を始めるために広島へ移住。
広島に生まれ暮らしながら、問題意識をもたぬことを恥じました。