ジャンさん、広島での作品展を終えて、
けさ高松へ移動。
木箱に作品をまとめS急便のトラックにのせ、いよいよお別れ。
「元気で、ね」
「モロッコでラクダを用意しておくから」
両手でしっかりと握手。
たとえ5日間でも、
遠い国から来た友人を精一杯歓待したいという思いで、
朝から晩まで一緒にすごし、多くを語り合い
あれこれ世話をし、一緒にご飯を食べると情が移る。
今までTV番組の「ウルルン滞在記」を観ながら
涙の別れは演出かと思っていたけれど、
今ならその気持ちが分かる。
涙こそ出ないけれど、さびしいんだもん。
おだやかで、静かで、イヤとかダメとか一度も言わなかった。
長旅に加えて、日本語を洪水のように浴びながら
日本語で答えなくてはならない毎日。
どんなにか疲れているだろうと察したけれど、グチも言わず座っていた。
フランス貴族の出身で、感情をセーブすることを
当たり前のこととして育ってきたのでしょう。
手をふって見送った後、さて、と、家じゅうを掃除。
4日間そのままになっていたデスクを眺め
検定試験の勉強しなくっちゃ。と、腕組みしながら
きょうだけはボンヤリしていたい気分。