にわか雨が庭石を濡らし
た週末の夜。
東京芸大出身の若手邦楽家、
芦垣こう盟(尺八)&託見育子(箏)さんのジョイントライヴは、
夏らしく「沙羅の花」という曲で始まった。
邦楽になじみの薄い人たちに聴いていただき、
和楽器の素晴らしさを間近で体感して欲しいという
二人の謙虚で温かな人柄がこころに響く良い演奏会だった。
わが家の玄関先で葉を茂らせる沙羅の木のように、
お二人の高い志が、こぼれるばかりに花を咲かせる日も
そう遠くはないだろうと思わせた、とてもきもちのいい夜。
失礼ながら耳にタコの気分でいた宮城道雄の「春の海」が、
ああ、なんて美しい曲なんだろうと再認識できたのも嬉しかった。
尺八がとてもフレキシブルな楽器であることも。
また、うちでライヴを開いていただける機会があれば、
ぜひとも、みんなに、多くの人に、いい気分を味わってほしい。
ちなみにお二人は雛ちゃんという可愛いお嬢さんをもつ素敵なカップル。
私たち日本のすぐれた文化芸能を育て継承していこうとしている若い人たち、
みなで応援せにゃ、いかんでしょ。