東広島市福富町の私立久芳小学校の
「アイガモ農法による米づくり教室」に立ち会いました。
広島県から借りた約1反(10アール)の田んぼ、
生徒たちが作った可愛い看板が目印。
アイガモのひな5羽が、田に放されるのを待ちます。
アイガモ農法を行う農家の門藤さんのところから譲り受けて、
校内の飼育小屋で生徒たちの手で1週間飼育されました。
これから田の稲を育てていく生徒たちはひなに愛情をおぼえ、
これから田の虫や雑草を食べて働くひなたちは生徒たちの声を覚え、
お互いのコミュニケ-ションを深めるためです。
さあ、いよいよ放鳥です。
田に放たれ、さっそく水の中を漁るアイガモたちを見守ります。
雑食性のアイガモは水田内の害虫を好んで食べます。
泳ぎながら水田をかき回すため、
常に水を濁らせて水温を上げ稲の生長を助ける働きもします。
また、アイガモのふんは稲の肥料となります。
1反にせいぜい5羽、多すぎるとふん(肥料)も過剰になり、
いもち病の原因になります。
しかし、大敵は空を飛ぶ鳥やキツネなどの獣。
ひなを狙ってきます。
ここでも、昨年は鳥や獣に食べられて全滅。
補充しながら収穫の秋を迎えます。
ボランティアで生徒たちの指導にあたる門藤温三さん。
ご自身、アイガモ農法(自然農法)で米作りをされる農家さんです。
農家の子として育っても農の手伝いを経験せずに大きくなる子も多い時代、
こうして農を知る体験は貴重です。
農の面白さに目覚めれば、都会に出ることなく
家業の農業を継ぐという選択も増えていくと思います。
元サッカー選手の中田英寿も自然農法について話を聞きに来たと言う
プロ中のプロ、御年80歳。
門藤さんの作る無農薬米は「もんどうむよう」の名でつとに有名。
栗の花が咲く頃に田植えして、霜が降りることに稲を刈る。
これが本来のリズムで、今はみな急ぎすぎるから米がまずい。
瑞穂の国の日本人が、パンを食べるようではダメだと話されます。
現に、この田んぼは10日前に田植えを終えたばかりです。
「ぜひとも福富の良い農産物をぜひ紹介し、農を元気にしてほしい」
ここにも、生産者と生活者の橋渡し役としての働きを期待される
農家さんがおられます。
田の早苗が美しい6月の晴れの日、
野菜ソムリエとしての活動の道筋がまた明確になりました。