男性向け料理雑誌「dancyu」をめくっていたら、
永平寺の味噌汁が取材されていました。
ダシの基本は昆布としいたけ。
調理で出た野菜くずも一緒に加えてダシにするのは、
すべての食材を使い切るため。
生きるためにある料理の基本ですね、うん。
慎ましい食にこそ深い満足があるのではないかと、
この頃思います。
食べるよろこびは、キャベツの芯を
甘いと感じられる舌あればこそ。
うさぎんち、昨夜の味噌汁の具は
大根と大根の葉と油揚げ。
削り節のパックだしを使います。
熱々をすすりながら思い出しました。
永平寺を訪ねた十数年前の夏、
ただ黙々と堂内を掃除する雲水たちの
透き通ってなめらかな肌。凛とした佇まい。
所作も何もかもが本当に美しかった。
彼らが食す味噌汁のように。
もっとも近年の雲水君たちは、
少々ゆるんでいるとも聞きますが。