盆の墓参りを早々と済ませ、徳島行きのバスに乗り込みます。
そう!踊る阿呆にみる阿呆、同じみるなら踊らにゃソンソン!
Pさんと二人、念願の阿波踊り見物へGO!
朝の11時過ぎに広島を出て、翌朝7時に帰ってくるという徹夜バスツアー、
誘われてみんな「えぇ~」と嫌がる中、快くつきあってくれたPさん、ありがとう。
あいにくと言うか、ラッキーと言うか、瀬戸は曇天。
日に焼けなくていいね、と二人相づち。
約4時間半でバスは徳島へ。阿波踊り開始2時間前、
すでに「踊る阿呆」たちはそれぞれの連の衣装に身をつつんで、
舞台へ向かっていました。
「連」とは阿波踊りのグループの呼称で、
企業団体や大学の有志で数多くの連が作られています。
それぞれに連の名を染め抜いて意匠を凝らした衣装をみるのも阿波踊りの楽しみです。
さて、踊りの熱気に沸く市中、交通を止めた一般道路や広場が「演舞場」と化します。
有料、無料の演舞場がメインストリートの数カ所に設置され、
食べ物の屋台が並び、ぼんぼりに灯がともれば、祭り気分は最高潮!
まずは道路のすぐそば、無料の桟敷でかぶりつき。
囃子の鉦(かね)が鳴り、太鼓の音が響きはじめ、いよいよ、トップの連が踊り込みます。
みんな笑顔、みんな楽しそう。沿道の拍手を受けて、ちょっと得意げ。
日本の色、祭りの色、緋色が映えます。
着物ならではの鮮やかな色の取り合わせに、うっとり。
娘さんが、すてきな笑顔を向けてくれました。
こどもたちの祭りでもあります。真剣な表情に、感動。
からだがムズムズしてきました。チリコン、鉦の音が「さあ!」と誘います。
同じ阿呆なら、踊らにゃソン!というわけで、
その場に居合わせた一般人が寄り集まるその名も「にわか連」に加わりました。
軽く踊りとかけ声の練習をし、もりあげ隊と呼ばれる赤いTシャツの人たちに先導されてゾロゾロと演舞場へ繰り出します。
にわか連の参加者は北海道や九州は言うに及ばず遠くフランスやドイツからも。
にわか仕立ての踊りでソーレ、ソレソレ ♪ 右手と右足を同時に出しながら進むのですが、
これがなかなか体力勝負。みなへっぴり腰ながら、阿波踊りのリズムを満喫。
あちらこちらの演舞場阿波踊りが始まって、約2時間が経過。
「にわか連」が自然消滅した頃には、祭りもたけなわ。
ツアーで予約してもらったメイン会場のS席へと向かいます。
後半の2時間は、広場に特設の有料桟敷席から高見の見物です。
無料でみられる演舞場が祭り気分なら、有料チケットで入るメイン会場はショーの要素がたっぷり。
アサヒビールや大和証券など企業が家族ぐるみで寄って踊る連も微笑ましくはありますが、
日ごろから技量鍛錬した「有名連」と呼ばれる同好会の連の踊りはやはり見事。
有名連が伝統的な振りも美しく踊り込んでくると、
NHKの撮影班がすかさずカメラを回します。
男衆が粋でいなせなあばれ踊りを披露すれば、
揺れる袂にすげの傘が優美な女踊りの先頭はずらり美女。
鍛錬の成果をたっぷりとみせます。
「あっ、落ちた!」 「なにが?!」 Pさんのカメラが、桟敷席から4メート下に落下!
それ大変と、場外へ飛び出してスタッフにSOS。幸いカメラは無事。
ほっと胸をなでおろす一幕で、夏の夜の阿波踊り見物は終了。
ツアーのバスが待つ吉野川河川敷に着いたのは、夜の11時。
長い夏の1日を終えて、バスは夜を徹して走り早朝帰宅。
それにつけても胸に残るは優美な女踊り・・・・
1度でいいから、すげの傘をかぶり、
下駄を鳴らして演舞場で踊ってみたいものです。