ちょっと話は長くなりますが、ぜひ知っていただきたい内容なので読んでみてくださいね。
分子生物学者の福岡伸一氏。科学者の視点から「食」のことを分かりやすく語ります。
週刊文春を欠かさず買うのも、この方のエッセイを読むため。
そこで、先週は地産地消と腸内細菌のおはなし。要約してみますね。
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生まれたての赤ちゃんの腸内はまったくクリーンで、それが母乳を飲み離乳食を食べ始めると、
外部からさまざまな微生物が入り込んでコロニーを形成し始めます。
これが、いわゆる腸内細菌。
人が持っていない特殊酵素で、食物の成分を栄養素に変えてくれるエライ奴です。
腸内を住みかにする代わりに栄養を送り込む、つまり共生ですね。
ところが、この腸内細菌、人が住む地域ごとに違っていることが最近分かってきました。
たとえば日本人の腸内には海草の成分を分解する腸内細菌が存在するが、欧米の人の腸内には存在しない。
つまり、腸内細菌もまた時間をかけて風土(食生活)に応じた共生関係を形成しているというわけです。
生まれ育った土地のものを食べることが一番自然であるという「地産地消」が生物学的にも合理性があるということの証明です。
(週刊文春6月10日号「福岡ハカセのパラレルターンパラドクス」より)
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裏の畑では、腸内細菌を満足させる野菜が生育中。
野菜の花の美しさを楽しんだ後は、その実を大事にいただきます。