1か月ぶりの東京、快晴。
ちなみに写真は東京モノレールからみた大井競馬場。
(ここから一気に2日分レポート、長いです)
3連休初日とバーゲン・シーズンが重なって、渋谷はいつにも増してすごい人出。
いつものように道玄坂の野菜カフェでランチをとって午後からのシニア講義に向かいます。
食べたの39種の野菜が入った野菜スープ丼。
20種類まで数えましたが、味が分からなくなるので途中で数えるのをやめました。
午後6時までの受講を終えた後は、仲間と近くでお決まりの反省会ご飯。
いろいろ野菜料理を食べて飲んで喋って、「お先にね」と、席を立つと皆が忘れ物をチェックしてくれます。
前回は携帯電話、その前はマフラーでお忘れもの前科2犯。
仲間はみんな30代と年下なので、介護されるババみたいな心境。
翌日、東京歩き。今回のテーマは「医学をめぐる知的世界」。
とてもアカデミックな1日、その前に日暮里においしい飴屋があり、
それを買いに下町に寄り道です。
飴屋がある谷中商店街、最近の下町ブームですっかり観光地になっちゃってます。
せんべい屋、つくだに屋、コロッケ屋・・・昔ながらの商店が並ぶ通りに、
観光客を当て込んだ食べ物の店がいっぱい。
ですから昔からの店には、店頭に「撮影お断りの張り紙」も。
そりゃ1日中パシパシ、ケータイを向けられたらうっとうしいでしょ、と、
そんなわけでお店の写真はカット。
コロッケ屋さんで買ったかぼちゃドーナツを食べながら歩き、
(なぜか東京で)大阪名物イカ焼きを食べたら、もうお腹いっぱい。
坂道を上がる階段は「ゆうやけだんだん」、好い名です。
大根1本40円で売るライトバンの八百屋さんあり、江戸時代からの古い寺あり、楽しい町。
「朝倉彫塑館」は修復のため長期休館。
ここを訪れたのは2年前だったでしょうか、古いままの館を見ておけてよかった。
大正時代の素晴らしい建物、うまく修復されますように。
屋根の上に男が見えますか?朝倉氏の洒脱な遊び心でしょう。
さて、山手線を日暮里から池袋へ、地下鉄に乗り換えていよいよアカデミック散歩スタートです。
まずは、文京区にある東京大学総合研究博物館小石川分館。
長い名ですが通称「驚異の部屋」。
旧東京医学校の建物内に、東大で戦前から使われていた人体模型、薬草、骨格など学術標本が収蔵されています。
大航海時代、王侯貴族の間で自邸に「驚異の部屋」なる部屋を設け、未知なる産物を集めて楽しむのが流行したといいます。
ここは、まさにそんな知的好奇心を満足させる空間。
王侯貴族のの遊び心に倣った展示で、解説もテーマ分けもなし、想像力を働かせて楽しみます。
ネズミの骨なんて、精巧で美しいフィギアみたい。
大人になっても少年のままの男たちの目をキラキラさせること必至。
静かで美しい空間です。そういえばTVドラマの「大岡越前」で、小石川療養所というのが出てきました。
江戸の時代から医学の町だったのでしょうか。
隣接の通称「小石川植物園」は、やはり東大の研究施設で広大な敷地に約4000種類の植物を集めた日本最古の植物園です。
かつて生きた化石と呼ばれたメタセコイヤをはじめ、珍しい品種をいろいろ見ることができます。
都心を忘れる静かさと豊かな緑、山へ分け入るような気分で歩きます。
かなり歩くのでウォーキングシューズで行きましょう。
さて、と、お次は六本木ヒルズの森美術館で開催中の「生命と愛の未来を探るー医学と芸術展」へ。
東大の「驚異の部屋」へ行こうと決めていたら、偶然にもこの企画をやっていて、ナイス!
医学の世界をアートとしても楽しめるという点でドンピシャです。
マニアックな企画だから人は少ないという予想に反して、エレベータ前で入場制限されるほどの人気。
会場には、英国女王所有のダ・ヴィンチが描いた解剖図をはじめ杉田玄白の解体新書、
丸山応挙が描いた白骨図など珍しいものがいっぱい。
おもしろい!人体の不思議、美しさ、はかり知れぬ神秘を感じます。
そして強く思ったのは、「からだを大事に考えなくてはいけない」こと。
からだを常に念入りにメンテナンスし、からだで感じ、考え、率直に行動する、
それを今年のテーマとしましょう。体中にめぐる血管をダ・ヴィンチは「血の樹」と言っています。
人のからだは、まさに大地に根を張り、空にむかって枝を広げる1本の樹のようです。
森タワーを出ると、外は夜。正面に灯りをつけた東京タワーが見えました。