甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の五味を持ち合わせた、豊かな味。
ふくよかな香りと、美しい色。
醤油は、日本の食に欠かすことのできない調味料です。
その歴史は魚を塩に漬けた弥生時代の魚醬に始まり、
野菜を塩漬けした草醬、そして穀物(大豆)を塩漬けした穀醬に至ります。
現在、私たちが口にする一般的な醤油は、
蒸した大豆、炒った小麦、塩を麹菌と混ぜ合わせて発酵させたものです。
ところが先日、耳にしたのが「藻醤油」なるもの。
えっ、海藻から醤油が出来るんですか?
その研究をされている関連の方にお尋ねしたら、
サンプルを送ってくださいました。
板海苔、食塩、水に乳酸菌などを加えて発酵させたもので、
さっそく舐めてみて、コクのあるのに驚きました。
大豆や小麦にアレルギーを持つ人にとっても朗報ですね。
海外でも広く認知されてきた醤油の新しい可能性を感じます。
里(大豆)の醤油と、海(海苔)の醤油。
実用化に向けて、試作が続けられているといいます。
日本の食文化の源である「うまみ」の世界が面白くなってきました。
資源の有効活用をすすめる「六次化産業」も、
こうした研究者レベルの知識から生まれるものでないと、
意味がないのではないでしょうか。