毎年、どこかの農家さんの渋柿を穫らせていただいては、
干し柿を作っています。
今年もそろそろと思っていたら
中国新聞に「穫られず放置される柿の木」に
ついての記事が掲載されていました。
かつて背戸山が自然の循環とそこに住む人々の暮らしを
守ってきたなかで、
いちじく、びわ、柿などの果樹も山と里の境界にあって
農を保全する役割を担ってきました。
ところが、さまざまな種類の嗜好品が簡単に手に入る時代、
柿を穫って食べる人もいなくなってきて、
里山の風景も荒れてゆく一方ということです。
そして夕方、スーパーの地産コーナーで見つけたのがコレ。
生産者の方のメッセージが良かった。
「小ぶりですが甘いです。傷がありますがご勘弁ください。
昔、菓子などめったに口にできなかった頃、柿がおやつでした」。
卵よりちょっと大きめ、秋の夕映えを思わせる美しい照りと色。
メッセージを書かれた方に会いたくなりました。
つくり手と消費する生活者をむすぶ糸は、こんなところに。
農業者のみなさんには、どんどん畑からの声を発していただきたい。
わたしも、野菜ソムリエとして、その伝言者でいたいと思います。