6年前の冬のことです、
自宅の土間で小さな野菜市を始めました。
これがわたしと野菜の蜜月のはじまり、
野菜ソムリエへの第一歩でした。
野菜ソムリエをめざしたそもそものきっかけは、
雪深い2月の畑でみた白菜でした。
当時、広告コピーライターの仕事をしていた
私は農産物の販売促進の仕事を受けて、
県北の農家さんの畑を取材で訪ねたときのことです。
農家さんが畑から掘り出した白菜は、
冷気を含んでパリパリパリと音を立てました。
その生命力、神々しいまでの美しさに心を奪われました。
そして、その場で葉をちぎって頬張ったときの衝撃的なおいしさ。
あの日、あのときの感動が、今の活動の源です。
なんとか野菜と関わっていきたい。
販売促進の仕事を頂いた先へ頼み込んで、
週に1度の野菜市が実現しました。
「これ、見たことない野菜じゃね」「どうやって食べるんね」
野菜を買いに来る近所の方に応えるために、
野菜について学び、これがまた面白くて野菜ソムリエになりました。
50歳を過ぎて、新たな道を拓いてくれた野菜市。
それを、きょう閉じました。
供給元の都合により入荷が難しくなったためです。
始まりがあれば、必ず終わりはあります。
わたし自身6年間の日々の食生活をまかなった
野菜、米、卵、豆たち。
記念撮影をしておいしく食べきります。