池澤夏樹著「神々の食」を読んで。
芋と豆腐と塩辛しかなかった沖縄の島の暮らし、
神々に守られ、神々に感謝して頂くことで豊かなものであった頃から
今に至るまでの話。
たとえば、天然にがりを使う豆腐づくりのくだり。
「他人の味覚的幸福のために朝4時に起きて働くことが、
一日40丁の豆腐を作ることが、その作り手をも幸福にする。
こういう世界ではお金はさして強い動機にはならない」
お金と引き替えでは得られない幸福と満足感、
これが農を支え、
スローフードをすすめる力となっているのではないかと、
自分自身の食の活動を振り返ってみても、
そう思います。
いいお話をありがとうと言ってもらえると、
それだけで実がずっしり。