裏の畑から大根を1本抜いてくる。
泥を洗い落とし、葉を落としてまな板にのせる。
みずみずしく野の雪のように白い大根は
包丁を入れると、パリっと川の氷が割れるような音をたてる。
冬の野菜の清冽な風情。
根は豚汁の具に、葉はごま油で炒めて食べる。
とれたての大根の甘く清らかな味わい。
先日も、豪華な食事の席に呼ばれて思った。
ふぐ、カキ、しらこ、マツタケ・・・と次々に供されたけれど、
そのなかで一番「おいしかった」のは、
カキの蒸し物に添えられた小さなクワイの揚げ物。
ご馳走してくださった方にはとても申し上げられないけれど。
やっぱり野菜がおいしい、野菜が好き。