ベランダに並べた植木鉢に、
ローレン・バコール＆ボギーと名づけた人がいました。
2人が主演した古い映画、タイトルは何だったか、
ローレン・バコールがハンフリー・ボガードと
じっと目を合わせてこう言います。
「あなたのポケットに入れたらいいのに・・・・」
去っていく男への別れの言葉。
大人の女が言うから、いい台詞です。
ボギーがどう答えたかは、忘れました。
同じ台詞がふと口からこぼれたのは、昨晩のこと。
記憶の引き出しには
いろんなものがおさまっていて、
強く深く気持ちが動いたとき、音もなく開いて
大事な何かを取り出してくれるようです。
庭のミントがいい香りです。

新聞の一面に、モノクロのポートレート。
冷蔵庫にピンナップして、じっと眺めます。
詩人でロック歌手のパティ・スミス。
「人生どんなにつらくても、自らを奮いたたせ
生き続けなけらばならない。
そして、じぶんの人生がいかに大変だとしても
他人より大変だとは決して言えない。私はそう思う」
そして人生を謳歌し続けるハンサム・ウーマン。
たかが人生、と思えば
水たまりの道もヒョイと行けそうな気もしますが、
それは大変な人生を知らぬ
呑気ものが言う台詞でしょうか。